インタビュー

こどもの足元から診る歯の話 前編


子育てをする中で、子どもの健やかな成長は親御さんの切なる願い。健康面でもっとも気になることのひとつである歯の健康について、こどもの歯科 院長の伊藤織恵先生にお話を伺いました。

目次

 

健やかな成長にかかわる姿勢の状態

 

当院に来られる3歳児のお子さんを診させていただくと転倒につながりかねない「浮き指※」の方が7割位程度にみうけられます。

出生時からの靴下や靴をはかせるといった、足を大事にしすぎていることがかえって転びやすい足をつくってしまっているのかもしれません。

※浮き指…本来五本の指が床に対してしっかりついていないといけない状態で指が浮いてしまい使えていないという状態。

足の状態がどのようになっているのかを気づけていないことが多々あります。

お母さん自身が『子供靴の正しい選び方や履かせ方』をご存じないことも多いので、当院ではそうしたところまで指導をしています。


足ゆび教室初回時の足。親指が浮いている(浮指)、小指が横になっている。(寝指)


一ヶ月後の比較写真。丸まっていた指がまっすぐになり踏ん張りやすくなった。

 

こうした取り組みの背景として足の状態が悪いと、歯のケガはもちろんのこと姿勢が崩れ、歯並びが悪くなるということまでつながっていきますので、全身的に診ていくのが大事だと考えているからなのです。

舌も筋肉ですので、舌の位置が悪い(低位舌)ことがきっかけで姿勢が悪くなり全身の筋肉のバランスが崩れます。

そのため歯並びにも影響を与えることがあります。

そして、将来的に歯ぎしり、顎関節症に到達してしまう前に成長の段階でしっかりと正しい方向へ導いてあげるというのが私たち小児歯科医の役割だと考えています。

 


病院では昔遊びのおもちゃを使って口の周りの筋肉を鍛える筋トレを指導することも。

お顔立ちにもかかわる?!ポイントは寝る姿勢

0歳時から3歳時のお子さんは一日に半分くらい寝る方が多いですよね。

寝る姿勢というのは体が床や寝具にあたっているところにかかる圧力が10時間から12時間かかるので寝方によっては、顔の形成に影響を与えます。

もし、同じ向きで寝ているようでしたら、なるべくあお向けに寝かせるようにしてみてください。

人間が立っている状態は呼吸がしやすい状態でもあります。

寝ているときも同じような状態を再現できればいいので呼吸と嚥下(飲み込み)をしやすい状態の枕を調整してあげると苦しくないので寝返りが減って寝入るのもスムーズになりますよ。


まっすぐ寝てもらうのが一番望ましいと院長の伊藤先生は語る。

【こどもの歯科ブログ】受傷の際のアドバイスも掲載中

プロフィール:東急東横線「祐天寺」駅から徒歩1分の医療法人社団心音会『こどもの歯科』
歯科医院であるにも関わらず、院内には保育士も常駐。マイクロスコープを使用した最先端の小児歯科治療をおこない、大人の一般歯科治療にも力を注ぎ、ファミリーで通える歯科医院としても人気。歯並びに影響をあたえると言われる足指のフットケア、姿勢指導なども積極的に取組んでいる。